弁護士法人杉並民事家事商事法律事務所

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退職金と残業代

<事例>「退職で会社と揉めて困っています」

質問

飲食サービス企業に勤続10年のサラリーマンです。人手不足で残業があまりにきつく、体調を崩してしまったので、会社に退職願を出しましたが、就業規則の「心身の故障」に当たるから解雇するし、退職金も出さないと言われてしまいました。

これまで会社のために頑張ってきたのにあまりに横暴な態度が許せず、退職金の他未払いの残業代も請求したいと思います。

毎月の給与の中に1日1、2時間の残業代も含まれているという話は聞きましたが、最低でも毎日3、4時間は残業があり、休日返上で働くことも多かったのですが、可能でしょうか。



1.解雇と退職金について解雇と退職金

(1)解雇とは、使用者による一方的な雇用契約の解約をいいますが、使用者は合理的な理由があり、社会通念上相当である場合でなければ労働者を解雇することはできません。
すなわち会社は、形式的な解雇事由があっても労働者を自由に解雇することはできず、「合理性」と「相当性」の要件を満たさない限り、解雇権の濫用として解雇は無効になります。
(2)また、使用者が労働者を解雇しようとする場合、原則として30日以上前にその予告をしなければならず、30日前に解雇予告しない場合には30日分以上の平均賃金を「解雇予告手当」として支払う必要があります。この「解雇予告手当」は、労基署の除外認定を得ない限り懲戒解雇でも必要です。
(3)なお、退職金については、通常の解雇であれば会社には当然に支払義務がありますし、労働者の責任が大きい懲戒解雇の場合でも退職金を不支給とするには「労働者の永年の勤続の功を抹消してしまうほどの重大な背信行為」の存在が判例上必要とされています。


2.残業代の請求と定額残業制残業代の請求と定額残業制

(1)1日8時間まで週40時間までの所定労働時間を超えて働く場合は、通常の25%増しの残業代が支払われます。また休日に勤務した場合は、通常の35%増しの休日出勤手当が支払われます。さらに、夜10時から朝5時までの間に働いた場合は通常の25%増しの深夜早朝勤務手当が支払われます。
(2)残業代を含む賃金は、2年間請求を行わない場合、時効によって消滅すると規定されており、残業代が長期に渡り未払いの時はさかのぼって2年分の残業代を請求できます。
(3)なお、月何時間までの残業代は基本給に含まれているとする定額残業制度を採用している会社でも、予定時間を超えた残業代については当然支払義務を負います。
また定額残業制は就業規則や雇用契約に明定しない限り認められず、明定しても残業があまりに長時間など合理性を欠く場合には定額残業制自体を否定するのが近時の判例の流れになっています。


労働問題

3.労働審判労働審判

(1)残業代や解雇その他の労働問題を早期に解決するための手段として平成16年から労働審判制度が導入されています。
かなりの長期間を要することが多かったこれまでの労働裁判とは異なり、労働審判では原則として3回以内の期日で手続が終結し、裁判所への申立てから3か月程度の比較的短期間での解決が見込めます。またその間に労働審判と平行して、話し合いによる調停が試みられ、事案の内容に応じた迅速で柔軟な解決が期待できるのも大きな特徴です。
(2)ただし、スピーディーな解決を目指して行われる手続きであるため、第1回期日までの短期間で迅速な準備を行われなければなりません。法的主張立証を適切に整理した上で審判を申立て、また法的に有効な書面や書証を、短期間で指定される各期日の前までに提出することが必要です。そのためには、労働審判手続への豊富な経験・実績をもつ弁護士を選任することが不可欠と言えます。


4.処理方針処理方針

形式的に就業規則の「心身の故障」という解雇事由に当たるとしても、会社の解雇は合理性と相当性を欠いていて認められません。不支給要件にも当たりませんので退職金の支払いも請求できますし、定額残業制の要件も満たしていないので、残業代も過去2年分を請求できます。
労働審判による迅速な解決を目指すのがベターでしょうが、残業代の請求にはタイムカード等の証拠の早期保全と定額残業制等の法的問題についての専門的かつ適切な主張が必要不可欠ですので、当所の経験豊富な弁護士に早目にご相談ください。


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